ひかりが
ふくらんでいた
やわらかに
ふくよかに
ひかりは
ふくらんでいた
あめつちを照らす太陽は
地球に無限の手をのばす
ひかりは
空をあたためる毛布
空にくるまれたまま
ひかりの絹を
おなかいっぱいすいこんで
煙のように立ち込めた死のかたち
その輪郭を
慎ましやかに
照らしだす
草も
木も
鳥も
すべての生き物が
ひかりの毛布につつまれて
生きているかたちを
地面に映し出される
生ずるは
影
濃厚な灰色
おのおのの輪郭は溶け合い
隠された死のかたち
ひとつの姿へと
帰るのだ
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